2021年06月20日
the you楽曲紹介vol.10〜幻〜
the youオフィシャルHP
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ブログ新企画
「the you全楽曲振り返り」
第十回目は
「幻」
アルバム lincoh 収録

lincohの中でもトップを争うぐらいの人気曲。
始めに言ってしまうと。
今回のブログは、この曲が好きだという人には失礼な話になってしまうかもしれません。完成する前と後で自分の中で温度差が生まれてしまったのです。
本当はもう少しバンド感を全面に押し出して、リズム隊がグイグイ引っ張るようなノリにしようとしてましたが、結果としてかなりポップス寄りな仕上がりになった。そう仕上げたのは他の誰でも無い私なのですが。
ギターレコーディングをしながら自己陶酔してしまい、つい予定にないフレーズを入れたり重ねたりしまくってしまった。シンプルなアレンジで潔く完結させきれなかったのです。その結果リズム隊のビシバシな存在感を削り、フワフワした予定外なギターフレーズが入り込むスペースを確保しなければいけなくなった。
予定外な事をしてしまったけど、その瞬間はそれがピンときていたし、ひっちゃかめっちゃかになった素材をエンジニア井口さんが見事にまとめ上げ、ミックスした音を聴いて興奮したのを覚えてます。今改めて聴くと、その時の自分の精神状態が丸写しにされているように聴こえます。
歌詞はもう、野郎目線のセンチメンタル出し丸な切ない系の内容です。メロディがそんな感じだったので歌詞も引っ張られました。仲本ボーカルがその雰囲気にハマってました。
曲がポップス寄りな雰囲気になったのが功を奏し、仲本ボーカル時代はライブ後にロックやバンドにそんな興味あるわけじゃなさそうな女子が、幻が入ってるCDはどれですか?と尋ねて買ってくれる事が多かった。
しかし、仲本が抜けてからはあまりライブでもやらなくなってしまった。やはり声のイメージってのはデカイ。
演奏的には難しい事は無いはずなんだけど、ライブでガッチリ手ごたえ感じるぐらい炸裂した事はあまりない。感情的になりそうでならない、ガッツリやれそうでやらない、でもクールに傾くわけでもない、凄く心のおきどころが微妙なテンション。最初のイメージとレコーディング後の雰囲気の変わりようも大きい。
力まず、でも抜かず、緩まず、スカさず、熱くならず。ほなどないせーちゅうねん。これらを意識しすぎるとすぐ体に力が入る。力んだ瞬間ダサくなってしまう繊細な曲なのです。
それを天然で、歌声一つでサラッと表現してしまっていたのが仲本だったのだと、辞めてから思い知らされるわけです。自分で作った曲なのにコントロールが難しい。
lincohはそういう曲が多い。
おれはあいつみたいに歌えない。じゃあどうしていこうか。
っていうところから、新体制the youは2ndアルバムに向け試行錯誤が始まるわけです。
streaming / download
https://linkco.re/RPbFHpsC?lang=ja
幻
作詞/作曲:伊禮勇希
loop
見慣れた 忙しい朝の町並みの中を
覚えた近道で
取り損ねた電話を気にして
軽い渋滞に飲み込まれる
全て夏の幻
消えてしまう虹のように
どれだけの日々を過ごして
どれだけ新しい景色で
忘れてしまおうだなんて
君の目に溢れた涙を
青すぎる空に描いた
自分勝手な夢物語は
笑えるほどにまだあって
幻のdawn
still
無意識に染み付いてた色んな癖が
後遺症みたいに残ってる
まるで君は幻
埋もれて行く記憶の中に
青すぎるこの空にどんな
思いを込めれ見上げていこうか
far away 遠くを目指して
歩き始めた君が静かに
fade away 色褪せていく
棘のように刺さった思い出も
通り過ぎたスコールみたいに
幻になる
vo:仲本直樹
gt /cho:伊禮勇希
ba:Koz
dr:gian
the you全楽曲紹介ブログシーズン1、1stアルバム lincoh 死闘編、これにて終了。

次からはシーズン2、戦慄のNight Drop編です